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不思議な後輩 9
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「.....ごめんね」
彼がどうして謝るのか、その理由もわからず硝子は首を横に振った。
それから恭介はその話には触れず他愛のない話をして、
南町の住宅街まで並んで歩いた。
「あ、雛瀬先輩知ってます?あそこの広場の時計
たまに本当に鳩時計になるらしいんですよ
仕掛けのドアが開いた時、本物の鳩が飛び出すんだって
それを見た人は幸せになるーなんて言われてるんすけどね
隙間から入り込んじゃってるだけなんでしょうけど」
恭介の話には曖昧な相槌を打つことしかできなくて
そんな自分といて本当に楽しいのだろうかなどと考えてしまう。
「ちょっと、見てみたいですよね」
楽しいわけ、ないのだろうけど。
結局恭介は住宅街の入り口まで付いてきて、
もうここでいいからと硝子は必死に説得するのだった。
「..じゃあ、俺はここで。」
恭介はどこか不満そうに呟く。
そもそも彼の家がどこなのかはわからなかったが、
とりあえず硝子は深々と頭を下げた。
「うん...あの、ありがとうございました....」
「雛瀬先輩、一回だけ、ぎゅってしてもいい?」
「.......はい?」
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