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サニー・レイン 2
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そうこうしていると頭痛を上積みするような鐘の音が響いた。
生徒達は喜びの声を零し始め、教室に喧騒が戻って来た。
「...よし、今日はここまで。
夏休み前だからって浮かれるんじゃないぞ〜
その前にテストがあるからな」
教師がそんな喧騒を切り裂くような大声を出し
生徒達は気の抜けた返事をした。
硝子は暫く動くことができなかったが、
やがてのろのろと教科書を机に押し込んで
決死の思いで立ち上がった。
「隣にお弁当たべいこ」
「今日テニスしようて言ってたのに雨とかまじないわ」
「それな」
「ねー昨日のさー」
ざわざわと教室は話し声で溢れかえる。
その声が頭の中に充満して、
爆発しそうにズキズキとした痛みに変わる。
硝子は生徒の波を掻き分け廊下に出た。
廊下も人で溢れかえっていて、
ざあざあとした雨の音と話し声で頭が割れそうだった。
昼休みが始まり、それは硝子がどうしていいかわからない時間なのだけれど
今日は幸い行くところは決まっていた。
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