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俺は小瀬 綾人 (こせ あやと)。βだ。αでも、Ωでも無い体に生まれて俺は満足している。
「綾人!」
走ってきたのは綾人の小学生からの友人、宮地 優(みやじ ゆう)。綾人の良き理解者であり、同居人。
身長は高く、青い瞳に黒い髪。αだ。
「次なんだっけ?」
「数Ⅰ」
「うげぇー。めんどくさい…」
性格はめんどくさがり屋で、マイペース。
「この名前の中間どうだった?」
「五位。」
「おぉー。流石、綾人!」
「お前は一位だろ。」
二学年は全員で四百人ほど。そのうちの十二人がαで、五人がΩだ。
まぁ、普通の人間のβでもα以上の学力を持てるんだなって最近感じている。
「この授業終わったらお昼!」
うるさいな。
なんて思いながら綾人は優を無視して席についた。
◆ ◆ ◆
昼休み、綾人は優と屋上に向かった。
意外と人がいるかと思ったのだが誰一人いない。
フェンスに寄りかかり、弁当を広げた。
向こうのフェンス越しに誰かがいる。逆光のせいで影しか見えない。
「おい!」
声をかけるとゆっくりとこちらを向いた。
あいつは確か、Ω…
(まさか…っ!)
俺は衝動的に体が動いていた。
腕を引っ張り、無理やりフェンスを乗り越えさせた。
「いった…何で、なんで止めたの…。俺は…俺は…」
自分はΩだから、そう言って自害する奴も少なくはない。
確かにそうだ。Ωは社会的地位が低い。三ヶ月に一度くる発情期。そのフェロモンを嗅ぎつけαはやってくる。発情期中は犯されてしまえば妊娠する。
Ωは゛種の繁殖が仕事゛だ。その現実には逆らえない。
きっとこいつもそうだろう。この前の診断できっと『Ω』と診断されたのだろう。
二人ははそいつが泣き止むまで傍にいた。
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