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ポケットからお金を出そうと手を突っ込む。
少し小さめの瓶が手に当たった。
綾人の体は異常だった。フェロモンが強く、薬が効きにくいだけでは無かった。
普通のΩは三ヶ月に一回発情期が来る。だけど綾人の場合、いつくるかわからなかった。
もしかしたら一週間後。あるいは、明日に来る場合もある。
そのため、強力な即効性のある薬と、避妊剤を常に持ち歩いていた。
「綾人!置いてかないでよ。」
「お前が遅いからだろ。」
優はマイペースだから、何をやるにしても遅い。例えば、飲み物を決めることも。
「もう買ったの?また水?好きだね。」
「まぁ、なんか美味しいから。」
「俺も水にしよっかなー。いや、でもこれも美味しそうだな…」
また始まった。と綾人は思った。
悩み始めるとなかなか決まらない。
「もう、水でいいだろ。ほれ。」
「あー!俺が飲みたかったのはこっちなのにー!」
「はいはい。わかったから行くぞ。」
文句をグチグチ後ろで言ってる優の前を歩く。
もう、このパターンは慣れた。
(どうせ、スイッチの切り替えもはやいんだろ。)
「あ、ここのお店美味しいから行こうよ!」
「この前違うところ食べいったばっかりだろ。」
「お願いします。綾人様。」
「うざい。」
たまにはいいか。という綾人が心の中にいてその日は結局、優が行きたいという店で夜ご飯を済ました。
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