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(だめだ…どこにも居ない。何で?)
優はあれからずっと綾人を探し続けた。でも、見つからなかった。
水すら喉を通らなくなった。眠れない日々が何日も続いた。
涙が頬をつたる。
そっと綾人の部屋の扉を開ける。
綾人の匂いに身を包みながら優はひとり泣いていた。
◆ ◆ ◆
夏休みが終わり、学校が始まった。
「おい、宮地。小瀬知らないか?」
「知らないです…」
(知ってたら、全力で会いに行っている。)
「そうか…ちゃんと飯食ってるか?顔ひどいぞ。」
「大丈夫です…」
優はこの二週間で驚くほど痩せていた。
目のクマは酷く、手脚は細くなり、顔色は青いってほどじゃなかった。
それでも優は綾人を探し続けた。
自分の体がボロボロになっていることを知らずに。
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