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「お前、すごいな。バイトのくせに。」
「先輩って一言多いいですよね。」
「あ?なんか言ったか?」
「いえ、何も。」
渡された成績表的なもの。一位の所には綾人の名前が書いてあった。
二位は先輩だった。
「次は負けねぇから。」
「先輩も、バリタチじゃなくて両刀にしたらどうです?」
「は?お前がネコだけで一位取ってんだから俺はバリタチで一位とんだよ。」
「そうですか…」
綾人は呆れ、スマホをいじっていた。
あと一時間ほど暇があったから。
(ん?なんだこれ。)
気になったのは空から天使が落ちてきたというニュースだった。
「なんだよそれ。」
「天使?らしいです。」
「ふーん。」
コメントのところを見ると想像と違う。何だこんなもんか。と書いてあった。
「可愛そうですよね。」
「あ?何でだ?」
「だって、天使になりたいと思って生まれたわけじゃないのに、いざ人間の目に入ったら想像と違うだの、なんだこんなもんか…とか。勝手に期待されて、期待と違ったらパイ的な?俺たちだってそうじゃないですか?αを望んで産んだ親はαじゃないと知った瞬間、子を捨てる。なんだ、こいつαじゃないのかよ。って言って。」
綾人は痛くない程度で頭を叩かれた。
「世の中そんなもんだろ。使えないやつは社会から捨てられる。Ωの仕事は子を孕むこと。無駄な事考えてねーで子でも孕んで少子高齢化の社会に貢献しろって。Ωに唯一与えられた仕事だろ?それすらも出来なかったら本当に社会から捨てられるぞ。」
確かにそうだな。と思い、スマホを伏せた。
綾人は先輩にこの天使が作り物だとは言わなかった。
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