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「大丈夫?」
「ゆ、う…。なんだよ。見てたのか…。」
「うん、ごめんね。あんまり口出ししてもと思って。」
優は綾人がなんでも自分のせいにして喧嘩しても反論をせず謝ってしまう性格だと知っていた。
「どうせまた、綾人が我慢してたんでしょ?奢ってって言われても断りきれなかったり、黙ってみんなのごみ捨てに行ってたりして早く帰りたいのに、いつもまでも帰れなくって。それで、少しくらい水買ってきてもらってもいいや。ちょっとくらい貰ってもいいよね。って思って言ったのはたったの二〜三回。食べ物だって一回くらいしか取ったことないんでしょ?」
全部当たっていた。
本当は綾人も我慢していた。買ったお菓子を勝手に食べられたり、関係の無いことに巻き込まれたりした。でも、やっとできた友達を失いたくなくて、我慢していた。
(よく考えるとくだらないな。そんな友達、いらないだろ。)
「大丈夫。あいついつか友達いなくなるよ。噂によると、小中ってクラスメイトを虐めてたんだって。体育着トイレに流して詰まらせたりとか。まぁ、感情的に動く人間だからあいつが満足してる分、周りが我慢してる。そのうちあいつのわがままについていけなったヤツらがひとりひとり消えて結局独りぼっちになる。」
優の言うことは信じられる。
「そっか。前から優の言うことはだいたい当たるからな。いなくなる気がしてきた。」
「うん。いなくなっちゃえ。」
「それは酷いぞ。」
綾人は笑いながらそう言った。
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