アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
47
-
゛番゛ さっきからその一文字が頭から離れてくれない。
「綾人…?綾人?」
「え?あ、ごめん。」
ダメだ。全てが悪思考に行く。
第一志望校に落ちたこと、水泳が出来ないこと、Ωに生まれたこと。
イライラする。そんなこと考えたって意味が無いのに。
「ねぇ綾人。今さ、泳げないこととか色んなことでイライラしてるでしょ?新しいこと初めて見ない?」
「新しい…こと?」
「そう。番とか、水泳ができないとか、第一志望校に落ちたとかそんなことは全部忘れるの。今やってみたいことない?」
(やってみたいこと…)
「スケート…フィギアスケートがやりたい。そう、小さい頃、やりたかったんだ。でも、親に反対されてできなかった。」
一番最初に出てきたのはスケートだった。
昔、水泳のためにやっていたバレエ。そこそこの成績を残してはいたが、続けなかった。
そして、その時に興味を持ったのがフィギアスケート。
氷の上で滑っている選手が美しくて憧れたスポーツだった。
「やろう!俺も一緒にやるから。明日から行こう!」
優は早速スケート教室に電話していた。
「いや、待って!」
「何で?」
「いや、何でって…っておい!」
嫌だと言っても優は聞く耳を持たなかった。
結局、体験の予約を入れられてしまった。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
48 / 91