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早く行きたかった。
なのに、なんでこういう時にこうなるのだろうか。
「優くん今日暇?」
「暇じゃない。用事あるからもういい?」
小宮はいつもしつこかった。
今日も捕まってしまい、なかなか話が終わらない。
「やだな。もうちょっと話したいなー。」
「もう行くね。ほんとに大切な用事があるから。ばいばい。行こ、綾人。」
無理やり話を終わらせ、手を引っ張られた。
「間に合うかなー。」
さっきからスマホをチラチラと見ながら早足で歩いている。
そんなふたりの横を電車が走った。
「やばい。あれに乗らないと…!」
走り出した。
足が速くてついて行くのがやっとのスピード。手を離されたら置いてかれそうだ。
「セーフ…大丈夫?」
「大丈夫なわけ、ないだろ…てか、速すぎるんだよ…」
「だって、走らないと間に合わなかったから。まぁ、ついてこれたんだし、大丈夫ってことで。」
確かにと思った。
でも、そんなことよりも早く滑りたかった。
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