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「骨折ですね…。」
綾人は耳を疑った。
スケートを始めて半年近くが経とうとしていた。もう外は暖かく、今は春。
二人共無事に進学できた。
ジャンプの練習をしている時に着地に失敗し、転倒。
左足に激痛が走った。
「とりあえず、骨をはめて、ギブスで固定します。」
「治るのはどのくらいかかりますか?」
「大目に見て、二ヶ月ですね。」
二ヶ月。長すぎる。
一週間滑らなかっただけて、感覚を忘れかけたのに…二ヶ月なんて…。
考えるだけで、泣きそうだった。
やっと見つけた本気になれるもの。やっと、楽しい日々が送れると思った。でも、そんな期待をした自分が馬鹿だった。
その日はギブスを巻き、松葉杖。二ヶ月間安静にするように言われた。
「綾人…」
「ごめん…ちょっと一人にして…」
優から離れ、ただひたすら泣いた。誰もいない所で。声を押し殺して泣いた。
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