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60 優
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綾人が骨折してから一週間。やっと戻ってきた笑顔が、また段々と消えていった。頑張って笑顔にしようとはしているのだが、心から笑ってくれない。
「綾人、どこか行かない?」
「いや、いい。今はどこにも行きたくない。」
いつも少し下を向きながら優を見る。
泣きそうな目で。
「大丈夫!絶対、絶対治ったらまたたくさん行こう。それで、たくさん練習しよう。大会もたくさん出て、たくさん優勝しよう。綾人なら出来る。」
「うん…」
いくら励ましても帰ってくる返事はどこか素っ気なかった。
優はなにかに本気になって、悔しい思いをしたことがないので綾人の気持ちがわからなく、どう励ませば良いのかわからなかった。
それでも元気を取り戻して欲しくて、いろんな場所へ連れていった。
だけど、笑ってくれない。
やっと水泳と同じくらいに好きになれたスポーツだから、その文辛いのだろう。
それでも優は諦めずに、綾人を元気づけた。
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