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あれから一週間が経とうとしていた。
体はまだ痛いが、あの日と比べたら随分と楽だ。
小宮はまだいる。
「先輩は、家に誰もいないんですか?」
「うん。居ないよ。俺ひとりで住んでるんだ。」
「そうなんですか。」
それを知った上で優は家に返さないのだろうか…。
「というか、ごめんね。こんなんなっちゃって。」
「なんで先輩が謝るんですか?何でもかんでも謝り過ぎですよ。」
「それは綾人君もでしょ?」
図星をつかれ、何も言い返せなかった。
「俺さ、綾人君のこと諦めきれないって言ったじゃん。でも、この一週間、二人を見てきてなんか諦められる気がした。綾人君がいつも学校じゃ絶対に見せないような表情を優君には簡単に見せるし、簡単にそういう表情にしてる。だけど、俺はそういう表情にすることが出来ない。優君といる綾人君はすごく幸せそうな表情をしてる。」
また悲しそうな、辛そうな表情をしている。
小宮のことは好きではないが、そんな表情は見たくない。
「先輩も今は運命の番とか信じられなくてもいつか絶対来ますよ。運命の番、いますよ。絶対。」
「本当に?でもさ、もう少し綾人君のこと好きでいてもいいかな?」
「付き合うことはできませんけど、いいですよ。誰が誰を好きであろうと、それは先輩の気持ちなので俺が決めることじゃないです。」
ありがとう。そう言って涙を流しながら微笑んだ。
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