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「そんな理由で番になるのがこぇのかよ。」
「そんな理由ってっ!俺は真面目に悩んでるのに…。」
綾人の中で番になった時点でただのβになるという考えがあった。
ただαに、項を噛まれるだけで、番になる。
その一瞬が綾人にとって怖かった。
「んなの、ただお前が信じてないだけだろ。」
えっ? と思わず声が漏れる。
俺が優を信じてない…?
「えっ?じゃねぇよ。普通に考えて、好きなやつと番になってはい、終わりなのかよ。好きだから番になるんだろ?運命だって、少しくらい感じたんじゃねぇのかよ。まだ、ヒートが来るはずないのに、急に来たりとか…てかそもそも、あいつそんな軽い気持ちでお前と番になりたいって感じはしなかったけどな。」
優はいつも何かあったら助けてくれた。
いつも全力で、全てを投げ出してでも助けてくれたのに、俺はそんな優を信じていない…?
綾人は胸が苦しくなった。
「俺も最初は不安で信じられなかった。。番になったんだけどよ、そいつと出会ったのなんて働いてたあの風俗店だぜ?んで、こんな所に来た、メガネかけて陰キャでおまけに童貞。αが運命のやつなのかよって思った。そりゃ俺だって不安だった。こんな奴で大丈夫か?いつか捨てられるんじゃね?ってな。でも見ろよこの噛み跡。毎日のように互いが互いを求めてる。バカみてぇにな。だけど正直、そいつと番になって後悔はしてねぇ。今幸せだからな。」
そんな先輩の笑顔は今までの先輩からはあまり想像出来ない優しくて、幸せいっぱいって感じの笑顔だった。
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