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放課後
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2時間の授業を終えて放課後。いつもだったら、翔くんが迎えに来てくれるのに、今日はいなかった。きっと昼の事なんだろうな。
「あれ、なつくん1人なの?なら、一緒に帰ろっ」
僕のことをなつくんと呼ぶのは一人しかいない。昔から、この人は苦手だったから、嫌だなと思いながら振り返る。
案の定、そこには僕の嫌いなユリカが立っていた。
「僕、用事があるか」
「えぇ、いいでしょ?お願い」
言葉を遮られて、ため息がでそうになる。もとから、用事なんてないから断る理由もなくなってしまった。
外に出ると、何人かの女子と男子が立っていた。その中には、俊もいた。ユリカに手を引かれて、みんなのところに行く。
「せっかくだから、みんなも呼んだの」
「なつきくんちょーイケメンだね。タイプかも」
何故か知らないクラスの人とかもいて、早く帰りたくなった。
腕にくっついてくる女子に笑顔を向けながら、俊と話す。でも、頭の中は昼間の翔くんの寂しそうな背中ばっかり思い浮かぶ。
何で、寂しそうだったかなんてわかんないけど、僕が原因なのは、何となく分かる。
「おい、夏樹?聞いてる?」
「あ、ごめん。考え事してた」
「今から、みんなでご飯食べに行こうだってさ」
「僕、用事思い出したから帰るね。後はよろしく」
みんなにバレないように、その場を抜け出す。後は、俊に任せとけば大丈夫だろう。
家に帰ったら、翔くん居るかな...そんな期待を持って、家へ急ぐ。
「ただいま」
「おかえり。今日は翔ちゃんと一緒じゃなかったんだ。珍しい...」
「そうかな?」
それ以上の事は聞かれなかった。きっと、わかってるんだと思う。
翔くん来てないんだ...家に入るまであった期待は、なくなり寂しくなった。
別に、毎日いられても困るから、いいけど。しかも、鬱陶しいし。全然気にしてない。
インターホンが家に響く。もしかして、翔くんかな。そう考えるとちょっとだけ、頬が緩む
「久しぶり。夏樹」
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