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デート2
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賑わう人々の群れを車の中から眺める。窓に映る自分の顔は、カツラをかぶっているからか、女子に見える。
運転中もずっと僕の手を握ってる翔くんの顔を見つめる。いつもの黒い頭は金色になっていて、それでもイケメンに変わりはない。
いつもはかけてない眼鏡の奥の漆黒の瞳は僕を見つめて笑う。顔が近づいて、オデコにキスされる。
「あんま見つめないで。照れちゃうから」
全然恥ずかしそうじゃないけど、これ以上見てたら僕が持たないから、そっぽを向く。
ドアを開けた瞬間に来るムワッとした空気に我慢しながら、車から降りる。
「じゃあ、行こっか。せっかくだし、恋人繋ぎしたいな」
「わかった。これからどこ行くの?」
「夏樹はどこ行きたい?」
「アクセサリー買いに行きたいんだけど、いい?」
「うん、早く行こっか」
女子が金髪の翔くんを見て、見とれたり騒いだりしている。その中に男子もいた。
どっちからも好かれるってやっぱり翔くんは人気だと思う。
「ペアリングが欲しい......」
「俺も欲しい、一緒に選ぼっか。夏樹は青と緑が好きだから、こう言うとか、良さそう。でも、こっちも似合うよね」
「宝石だけ変えてもらうことってできるのかな?僕そのやつが欲しい。」
「待っててね、店員さんに聞いてくるから。」
そのまましばらく待っているけど、なかなか帰ってこない。周りからのすごい視線に耐えられなくなりそうで、自然と下を向く。
「ねぇねぇ、俺達とあそぼーよ。彼氏もいなさそーだしさ」
「いや...ほんとに無理なんで...人を待ってるし」
男だとバレないように、声を高くしてみる。地声も高い方だったから大丈夫だったけど。
早く翔くん来てくれないかな。掴まれた腕がヒリヒリして、涙が出そうになる。
「ほんとに、離してくださいっ!!」
「逃げちゃうでしょ?なんでも奢るし、どこでも連れてってあげるから。ほら、着いてきて。お前ら、そこの女連れてこい」
「めっちゃ軽いやん。近くで見るともっとかわいいな」
身長の高いヤツに、軽々と抱っこされて、少し悲しくなった。僕ちゃんとご飯食べて、身長だって結構あるのに。
このまま連れて行かれちゃうのかと思うと暴れるきも失せて来てしまった。
翔くん迎えに来てよ…僕を助けて…
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