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モデルの仕事
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起きたのは知らない部屋の誰かのベッドの上、周りには必要最低限の物しか置いてない、シンプルな部屋だ。
いつ間にこんなところに連れてこられていたのかなんて、寝てた僕にわかるわけもない。コンコンとなったドアから入ってきたのは、奏さんだった。
「あ、起きてる!おはようなーくん!今日から夏休みの間は、ここで暮らしてもらうから、よろしくね」
「あの、翔くんは?あと、ここはどこですか?」
昨日の翔くんと話していた時の黒さは消えていて、笑顔で抱きついてきた奏さんに尋ねる
答えてくれるかどうかはわかんないけど、一応聞いてみた。
「あー、忘れてた!まあ、今日からは2人だからね!」
嬉しそうな奏さんにイライラしてくる。別に、僕は奏さんと一緒に暮らしたかった訳では無いし、なんで翔くんがいないんだろ。
「でね、今日はなーくんに、私のお仕事についてきてもらおうと思うの!どう?」
「別にすることもないのでいいですよ?」
なるべく、怒らないようにと笑顔で答える。いつもと違う外からガヤガヤとした、声やバイクの轟音が聞こえる。もしかして、と嫌な考えが浮かんで、すぐに考えるのをやめる。
翔くんがいたらまだ、こんなの嫌にはならないし、落ち着けるのに...どうしたらいいのか、今の僕には考えられなかった。
いつの間にか出ていった奏さんの代わりに、置いてあったのは僕のスマホ。これで、翔くんに迎えに来てもらおう。
「もしもし...翔くん...?」
出たと思ったら、一言も喋ってくれない。代わりに聞こえてくるのは、女のうるさいキャッキャという声
もう、どうでもよくなった。きっと、翔くんは最初から僕なんか好きじゃなくて、騙してたんだ。男と付き合うなんておかしいよね。だから、デートした時も女装させたかったんだ。
「なーくん準備できたー?着替えてたら入れないから、返事して?」
「今から、着替えますね。服ってどこに置いてありますか?」
いつの間にか流れてた涙をふいて、奏さんに指示されたとおりに動く。タンスの中には、僕のじゃない服がいくつも入っていた。
適当に合わせて外に出て、奏さんについていく。まあ、強引に手を引っ張られて、歩いてる感じだけど...
「ねぇねぇ、さっきからなーくんめっちゃ見られてるよ!流石だね...」
「それ、絶対僕じゃなくて、奏さんを見てるんですよ。僕見てたとしたら、悪い意味ですよ...」
なんて、他愛もない話をしながら、奏さんの撮影場所まで行く。もう撮影の人達は揃っていて、入るとすぐに視点を向けられる。
かなはいりまーす!とか言いながら、入る奏さんにつられ、ちょこちょこと後ろをついていく。
「ちょっと〜かなちゃん。そこのイケメン男子は誰かな?もしかして、スカウトしてきてくれちゃったの?」
「この子は、私の婚約者です!なんてね!あははは」
笑い事じゃないでしょ...婚約者って言ったから、めっちゃ見られてるじゃん...気まずい...
「そうだ!ちょうど、急遽休んだ子がいちゃって困ってたんだよ!手伝ってくれない?報酬は結構期待してくれていいからさ。」
「僕ほんと撮影とか苦手で、そういうの無理なんですよ!」
「大丈夫だよー!なーくんなら、イケメンだし、身長高いし、顔小さいし、できるって!私もアドバイスするからさ!!」
そんなこと言われたってできないもんは、できないのに。奏さんの強引な手口に引っかかり、ヘアメイク中。
髪綺麗ですね。元から整ってるから直すとこがない。とか言われながら、メイクとかを終える。
先に撮影を始めた奏さんを見ながら、綺麗だなと思った。普段からああいう顔してればモテるのに。
「じゃあ、なーくんだっけ?入ってもらっていい?カチカチにならずにお願いねー」
「はーい。よろしくお願いしまーす」
こうして、僕はモデルの仕事をすることになった...
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