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隣のクラスの神城くん
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教室に戻るともうほとんどの生徒が席についていた。
俺達が1番遅かったようだ。
慌ただしく手紙やらノートやらを返している人以外は席につき近くの奴らと話をしていた。
俺も近くにいた可愛い系男子の侑咲樹(うさぎ)に話しかける。
「なーな!文化祭楽しみだなぁ!」
「俺、メイドカフェとかだったら絶対反対する。」
「え?なんで?」
「だって絶対女装させられる…。」
小柄な体を持つ侑咲樹は顔も可愛く女の子のようだ。
確かにメイドカフェに反対するのもわかる。
確実に女装いきだ。
「まぁまぁ。」
ふてくされている侑咲樹を他所にSHRがはじまった。
梅ちゃんも文化祭に乗り気なのか諸連絡だけして隣のクラスを見に行った。
「梅ちゃんもノリノリだね。」
ついさっきまでふてくされていた侑咲樹もなんだかんだ乗り気でワクワクしているのが伝わってきた。
梅ちゃんが隣のクラスの先生や生徒を連れて教室に戻ってきた。
「よーしお前らー。隣のクラスの奴らを間に入れてやれ〜。B組は入れるところに入れてもらえよ〜。」
梅ちゃんの声が教室に響く。
仲の良い奴らがすぐに固まった。
俺はB組に特別仲のいいやつはいないので椅子を持ったまま突っ立っていた奴を呼んだ。
「お前、入れるとこないなら来いよ。」
ぼさぼさのきのこ頭をした小柄なそいつは小さく頷いて俺の隣に椅子を置いた。
「おぉ…人が多い。」
梅ちゃんが教壇で何かを言っているが俺は隣に座ったこいつに目を奪われていた。
ぼさぼさな頭をした彼の横顔は女の子と間違えるくらい可愛かった。
侑咲樹と同じかそれ以上かもしれない。
男でここまで可愛いやつはなかなかいない。
髪さえちゃんとしてれば相当モテるだろう。
「隣同士知らない奴は自己紹介しとけよ〜。」
梅ちゃんの言葉に俺は隣に座ったら彼に話しかけた。
「俺、A組の神崎。」
「…ぁ……。」
緊張しているのか頬が赤くなっていた。
彼は小さな声で自分の名前を言った。
「か、み…しろ……で、す。」
小さ過ぎて名前は聞き取れなかったが、神城と言った。
俺は目を見開いた。
こいつが神城?
こんな細くて華奢な奴が男をとっかえひっかえなんて…。
確かに顔は可愛いがやはりあれはただの噂だったのだろう。
「よろしくな!神城!」
俺は神城に握手を求めた。
俺よりも少し小さい手が俺の手に触れた。
「よ、よろしくお願いします…。」
今度はしっかりと目を見て神城は言った。
恥ずかしそうに微笑む神城。
その瞳に俺は吸い込まれるような不思議な感覚に陥った。
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