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隣のクラスの神城くん
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A組もB組もやる気があり、文化祭の出しものはすぐに決まった。
侑咲樹はすごく文句を言いたげだったがメイドカフェに決まった。
しかも普通の女の子がするメイドカフェではなく、男が女装をするいわゆる女装カフェだった。
料理をするのは女子の方がいいと言う意見もあり、接客は男子が担当することになった。
「執事じゃだめなのー?」
侑咲樹が文句ありげに聞いていたが、女子達からの女装したら絶対かわいい男子が多いと言う意見に流されてしまった。
「じ、女装…。」
神城も隣でぼそっと呟く。
正直俺も女装はしたくない。
が、一応女装するのは女子が決めた男子だけで他は前日までの作業や客引き、裏方に回るらしい。
俺は身長もあるし顔も可愛くはないので裏方に回れることに心底ほっとしていた。
「神城なら大丈夫だよ。神城は可愛いから!それに選ばれるかどうかはまだわかんないしね!」
俺は隣でビクビクしている神城に謎のフォローを投げかける。
「…う、うん。」
不安そうに神城は頷く。
今日は解散ですと言う委員長の声が聞こえた。
挨拶をしてからも教室はざわざわしていた。
積極的に文化祭の話し合いをするものが多くいた。
部活で当番などになっている人や大事な用事がある人以外全員残っていた。
もちろん俺、侑咲樹、篠山、そして神城も。
「神城?」
いつもより倍の人数いるこの教室は、エアコンをつけているせいで窓が開けられず空気が悪い。
俺は人混みは得意なほうだからいいが、隣にいる神城はあまり得意じゃないようだ。
「…っう…。」
顔色があまり良くなかった。
人酔いしたかもしれない。
俺は神城の手を引く。
「大丈夫?」
「うん…ちょっと人が多かったから…。」
神城は目線を下に落として言う。
顔色は悪いが頬は少しだけ赤かった。
「ほんとに大丈夫?顔赤いし、熱とか…?」
おでこに手をあてた瞬間、神城に振り払われた。
怯えるような目で俺を見る。
「か、神城?」
「ごめんなさい!」
そう言って神城は走り去った。
俺は状況が飲み込めず呆然と立ち尽くしていた。
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