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隣のクラスの神城くん
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立ち尽くしていた俺は侑咲樹の声で我に戻った。
「神崎?何してるの?」
そうだ…神城…。
俺の手を振り払って行った。
どうして?
「あ、いや…俺、用事思い出したから帰るわ。」
「わかった、みんなに言っとくね。」
「さんきゅ。」
俺は急いで教室に入り神城の荷物と自分の荷物を持って飛び出した。
いつもより長く感じる廊下を走る。
「神城!どこだ!」
怯えるような目をした神城を思い出す。
泣きそうな顔。
震えた手。
「神城!」
神城の行きそうな場所なんて知らない。
だから俺は廊下を走りながら開いている教室を見て回った。
もしかしたらまだ校舎からは出てないかも知れない。
荷物だってここにある。
「おい!神城!いるなら返事しろ!」
だが、返事はなくこの階にはいないようだ。
俺は階段を一気に降りる。
1階の廊下に出るとそこには電気の消えた教室から出てくる神城の姿があった。
「神城!!」
俺の声に神城は振り向くが、目があった瞬間、神城は逃げ出した。
何かに怯えている。
「ちょっ、待てって神城!!」
俺は夢中で追いかけた。
振り向いた時、彼の瞳が涙で揺れていた。
その理由を知りたい。
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