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隣のクラスの神城くん
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神城を追いかけて走っているとさっき降りた階段とは違う階段についた。
神城は一気に駆け上がる。
俺も神城について走る。
「か、み…しろ!」
そろそろ息が上がってくる。
神城も肩で息をしているのがわかる。
何故、逃げるのだろうか。
俺にはわからなかった。
ーその時
「わっ…。」
神城の小さな声が聞こえた。
階段を登りきれず、バランスを崩した神城が俺の視界に入る。
「神城っ!!!」
俺は持ってきた荷物を全部投げ捨てて神城を受け止めた。
が、階段で踏ん張りが効かず勢いよく階段を転げ落ちた。
神城をぎゅっと抱き寄せ、怪我させないように守る。
「……っつ!!!!」
階段の踊り場に背中を打ち付ける。
感じたことのない激痛に声の出ない悲鳴があがる。
痛い…痣になるかもな……。
「か、み、しろ…大丈夫……か?」
俺の腕の中で目をつぶっていた神城はゆっくりと目を開け俺の方を向く。
「…か、ん…ざき…くん?」
俺の名前を口にした瞬間、彼の綺麗な瞳から大粒の涙が零れ落ちる。
窓から入る夕日に当たりきらきら光って落ちていく。
「泣くな…。」
俺は神城の涙を拭う。
「な、んで……。」
小さな声で言い、神城は口を結んだ。
自分のせいだと責めるように。
「なんでって……当たり前だろ?」
俺は神城の小さな手を握る。
「お前が怪我しなくてよかった…。」
心の底から思っていた。
こんな細い腕の華奢なこいつが階段から落ちたら骨が折れるどころか下手したら死んでたかもしれない。
「な、んで……。」
ぽろぽろ涙をこぼしながら神城は続ける。
「僕なんかのために…怪我しなくても……。」
頭を打った覚えはなかったが、頭の後ろがズキズキ痛み出す。
少し動くだけで背中には激痛がは知る。
目眩がする。
でも、これだけは言わないといけない。
神城に分かってもらわないといけない。
噂なんて関係ない。
友達は自分で決める。
「…お、れ……お前と、友達…に、なり、たい…んだ…。」
あぁ、意識が遠のくってこういう感じなんだ。
俺はぼやける神城の顔を見つめる。
「……ーーーーっ…。」
神城が必死に何かを言っているが、俺はそのまま目を閉じ意識を手放した。
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