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隣のクラスの神城くん
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「…っ…。」
背中の激痛で目が覚めるとそこは見覚えのある天井だった。
視界に入る淡い色のカーテン。
独特な匂い。
俺はすぐにここが保健室だとわかった。
「…っあ!」
起き上がろうとするが痛みに襲われ、ゆっくりゆっくり体を起こす。
痛い。
痛い。
「ぃ、てぇ……。」
保健室には誰もいないのかとても静かだ。
俺の声だけが響く。
痛みに慣れていないせいか少しの振動でもピリピリと痛みが走る。
「……っ。」
知らない間にいろいろな場所を怪我していたらしく、絆創膏や湿布が貼られている。
俺は誰かいないのかとカーテンを開ける。
が、そこには大きな鏡があるだけだ。
「鏡…?」
俺は体の向きを変え鏡を見る。
自分の体が見える。
湿布が剥がれないように包帯だらけになった体。
そして、それ以上に目に入る古傷。
あぐらを組んで座っている太股の内側に見える大きな切り傷。
付け根から膝の上あたりまであるその痛々しい切り傷は忘れたくても忘れられない記憶が付け回る。
「…っ!」
痛くない。
もう昔の傷だ。
どおってことない。
大丈夫、大丈夫。
「…っはぁ……はぁ…。」
俺は自分に何度も何度も言い聞かせる。
だが、その思いとは裏腹に。
鏡の中の自分がにやりと笑う。
気味が悪い。
そして、ある場所を指さす。
俺は恐る恐るその場所に目線を移す。
「…っうっ……。」
目に涙が溜まっていくのがわかる。
視界が揺れる。
鏡の中の自分が指さした場所。
そこには
中が見えるくらい裂けた太股と真っ赤な血が映っていた。
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