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隣のクラスの神崎くん
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世良くんの話は続く。
「高2にあがってすぐくらいかな…あいつ母親亡くしたらしくてずっと学校休んでてさ、2週間くらいだっけっかな。この時期のあいつは俺も見たことあるから知ってるけど、すっげぇ荒れてた。少ない人しか知らないけどあいつその時精神不安定で二重人格?みたいになってて暴れてる時は誰にも止められなかった。」
僕は世良くんの話に聞き入った。
「机壊したり、窓ガラス割ったりなんて日常茶飯事でさ。あいつ、ついに停学になったんだ。」
「その頃友達だった奴らの中に俺の友達もいたんだけど、たまたまその友達達が話してるところに出くわしてさ。そいつらは、あいつが心配でいろいろ声かけたのに全部無視されたりとかひどい時は暴力になったりしてたみたいで心配して損したとかそういう話をしてて。」
世良くんの表情が歪む。
「俺は例え神崎の事を知らなくても止めるべきだった。俺なら止められたはずだったのに見て見ぬふりをしたんだ。神崎はいじめられた。その時はもう二重人格は治まってて、でも精神状態はすっげぇ不安定だったみたいだ。時々見るあいつは顔色が悪くて今にも死んでしまうんじゃないかって思うくらいだった。」
僕は世良くんの顔を見て驚く。
世良くんの頬には涙が伝っていた。
「俺に勇気があればあの頃の人気者の神崎でいられたのになっていつも思うんだ。俺は弱い。神崎とは1回しか話したことなかったけど、あいつがイイヤツだって誰もが知ってた。でも、誰もいじめを止めることができなかった。あいつのことを理解してやる奴がいなかった。そんな奴が1人でもいたら、、、あの頃のあいつはずっとそこにいたのかもな。」
世良くんの話が終わる頃には僕ももらい泣きしていた。
「…なんでお前まで泣いてんだよ……涙脆いやつだな…。」
「…ご、め……。」
「いいよ。神城はそれだけ優しいやつってことだから。」
僕は神崎くんの事を知りたくて色々な人に聞いて回った。
それが後にあんな事になるとは、この時の僕はまだ知らなかった。
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