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声を届けたい神崎くん
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走ったりしたら床が抜けそうだな…。
ギシギシと歩く度に鳴る廊下は少しずつ俺を不安にしていく。
「神城…いるのか?」
全部の教室のドアが開いている。
俺はゆっくり歩きながらひとつひとつ教室を覗き込む。
もしかしたらどこかにいるかもしれないという期待を込めて。
1階の廊下を半分くらいまで歩いた時、小さいが悲鳴のような叫び声が聞こえた。
「い"や"!!なんかくる!や"!!嫌だ!!!!あ"、、、あ"あ"あ"あ"ぁぁっっ!!!!」
「この声…かみ、しろ?」
その声が1階なのか2階なのか危ういところだが、俺は声のする方へ走った。
校舎なだけあって、少し走ったくらいでは床は抜けないようだ。
「や"!や!!!とま"らな"い!!!!!い"や"!!!!!う"あ"あ"あ"ぁぁっ!!!」
少しずつ声が大きくなっていく。
緊張から俺の肩は激しく上下に動く。
暑くもないのに額から汗が流れ落ちる。
「…っ!?」
ひとつだけ。
たったひとつだけ、ドアの閉まっている教室を見つけた。
絶対ここだ。
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