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祝・500アクセス特別編
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風邪をひいた梅田先生
「……。」
朝の職員会議に出ている僕だが、どうも隣に座っている彼の様子が気になって仕方が無い。
「…っ、ふっ、、、」
いつもなら顔を上げて熱心に会議を聞いている彼が今日は配られたプリントを凝視するように下を向いている。
もちろんプリントを読んでいるわけではないようで。
苦しそうな息が時々聞こえる。
「……。」
どうしたもんかと僕は隣の彼を見つめた。
会議はほとんど頭に入らず、彼の息を真似てみるが苦しそう以外には何も得られない。
「皆さん、今日も頑張りましょう。」
校長先生の声とともに会議が終わる。
「……梅田先生。」
「…っは、、、はい?」
彼が呼吸を整えてから平然と返事をするので僕はつい笑いそうになる。
「ちょっといいですか?」
僕はあまり彼に好かれていないらしい。
昔から自分の考えていることを表に出せない。
そのせいか、以前、梅田先生にあんたは何考えているか全くわからないと言われてしまった。
「…?はぁ、いいですよ。」
表に出すことは難しくない。
けれど、その難しくないことが"できない"のもまた事実で。
「入ってください。」
ついた場所は第2保健室。
僕のテリトリーだ。
彼は露骨に嫌そうな顔をした。
「……なんで。」
「いいから入ってください。」
火照った頬に長い睫毛に隠れた潤んだ瞳。
肩で息をしているし、唾を飲む時一瞬だけ苦しそうな顔をする。
「…。」
いつもの彼なら絶対に足を踏み入れない保健室。
彼の親戚から病院嫌いだとは聞いていたがまさか保健室にも足を踏み入れないほどだとは思わなかった。
「わかった、わかりました。」
観念したように梅田先生はその1歩を踏み出す。
「ベッドに座って下さい。」
相当熱が回っているのかもう抵抗する気力もないようだ。
僕は彼に体温計を手渡す。
「おい、熱なんかねぇぞ。」
いつもに増して機嫌の悪い梅田先生。
それはきっと自分の体が思うように動かないからで。
僕は彼をベッドへ押し倒す。
「…ちょ、あんた何して…ひゃっ、、、」
梅田先生の体は相当熱が高いのかあったかいというより熱いレベルだった。
僕の手が予想以上に冷たかったのか可愛らしい声を上げる。
「何って、熱を測るんですよ。」
自分の声に驚いたのかそれとも僕に聞かせたくないのか真っ赤な顔で彼は自分の口に手で蓋をしていた。
子供っぽいその仕草に梅田先生もまだまだ若いなぁと心の中で笑った。
「ほら、腕上げてください。」
「…いや、、、冷たい……。」
「嫌じゃありませんよ。いい歳した大人が何を言ってるんですか。」
僕は無理やり彼の脇に体温計を挟む。
ちゃんと抑えてて下さいよ!と念を押して僕は彼の体をタオルで優しく拭く。
「い、い……やめろ…。」
よっぽど恥ずかしいのか彼はあげられたワイシャツを下げようとする。
「ちゃんと抑えてくださいと言ったでしょ。」
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