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助けてくれたのは神崎くん
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「邪魔すんな神崎。」
低い声で威嚇する海堂くん。
僕は自由にならない手を神崎くんの足に当てる。
「…っ…ぁ、、、」
声が出ない。
何度も何度も叫んだせいで喉を痛め、声がかすれる。
でも、声が出ない理由は他にもあった。
「……。」
僕が人に助けを求められない事と。
「許さない。」
本気で怒った神崎くんが怖かったからだ。
「はっ、なんだ神崎。まさかそいつの事が好きなのか?クラスの人気者に限って男が好きだなんてそんな「黙れ。」」
海堂くんはペラペラと話し出す。
神崎くんはいつの間にか海堂くんに詰め寄っていた。
胸ぐらを掴み聞いたことのない低い声で怒りをぶつけている。
「…か…ん、ざ、、、き…くん…。」
掠れた声で彼の名を呼ぶ。
僕の声が聞こえていないのか神崎くんは海堂くんの胸ぐらを掴んだまま離さない。
「どうやってここがわかったか知らねぇけど、これでも逃げれるもんなら逃げてみな!!」
海堂くんは笑いながら胸ぐらを掴んでいる神崎くんの手にライターで火をつける。
神崎くんは制服の上にいつも大きめなパーカーを着ている。
手にかかっていたそのパーカーの袖に火がつく。
「ちっっ。」
舌打ちする神崎くん。
それでも手を離そうとしない。
「くっそ、離せよ。」
掴んでいる胸あたりに火がつきそうになり、海堂くんは神崎くんを突き飛ばす。
「はっ、ざまーみろ。」
捨て台詞を残して彼は窓から逃げた。
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