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守りたいのは神城くん
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そこからはもう自分の理性との戦いだった。
さっき1回飛んだけど。
自分から寝てもいいよなんて言っておいて寝顔にムラムラし、更には密着していたのを思い出し頭から火が出そうだった。
まさに火から逃げている真っ最中なのに。
背中から出るのはこれからやめた方がいいなと心底思った。
昨日怪我をしたばかりの背中をまた痛め、しかも校舎の柱から出ていた無数の棘に背中を強く打ち付けてしまった。
「…はぁっ、は、はぁ、、、」
本日2回目の全力疾走に流石に苦しくなり昇降口から出た瞬間崩れ落ちそうになる。
「…はぁっ、っあ…ぶね……。」
崩れ落ちていたら神城を下敷きにしていた。
俺はふらふらの足でなんとか踏ん張りまた歩き出す。
すると、
「うっ、、、」
と、神城がうなされ始める。
さっきのあいつが夢も出てきているのかもしれない。
歩くより早いかもと俺はその場に座り込む。
神城は俺のシャツを握りしめているから少しくらいなら手を離しても大丈夫と、俺はあぐらをかいてその上に神城をそのままの状態で座らせる。
「大丈夫だからな。」
可愛らしい寝顔に下心はすっかり吹き飛び俺はポケットから携帯を取り出す。
携帯の液晶画面には11時と表示されていた。
「結構時間経ってる…篠山心配してっかな…世良も…。」
俺は携帯の画面をタップして電話をかける。
もちろん110番通報。
そして、もう1人。
「11時なら多分出るだろ。」
俺は携帯を耳に当てる。
頼む…出てくれ。
『お前授業サボって何やってんだ!!』
耳がキーンとなるほどの大声で叱られる。
「ごめん、梅ちゃん。」
『1時間目の俺の授業からサボりやがって。』
「ごめんって。」
俺は自分の体が相当疲れていると今わかった。
いつもなら嫌味のひとつやふたつ返してやるところだが、そんな気力はない。
今は俺の腕の中にいるこいつを助けたい。
それしか考えられなかった。
『お前、なんか変だな。どうした?』
察しのいい梅ちゃんは俺が話す前に聞いてくる。
今はそれが凄くありがたかった。
「旧校舎に迎えに来て。」
『は?』
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