アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
神城くんからの電話
-
俺は午前の授業は10時半までしか入れない。
理由は特にはない。
が、俺はこのスタイルがお気に入りだ。
時計が11時を回った頃。
昼飯でも買いに行くかと職員室の席を立とうとした瞬間。
いつもなら切っているはずの携帯が鳴った。
「すいません。」
周りの先生の視線を浴びながらその主を見る。
画面には『神崎』とかかれていた。
「…あの、、、出ていいですか?」
「誰からです?」
校長は神崎の世話を俺に任せているため神崎からの電話なら職員室で出ていい決まりになっている。
「…神崎です。」
「出てください。」
俺は大きな声を出すべく深呼吸する。
「お前授業サボって何やってんだ!!」
『ごめん、梅ちゃん。』
珍しくすぐに謝ってきた神崎に俺は更に追い打ちをかける。
「1時間目の俺の授業からサボりやがって。」
いつもならここまで言えば皮肉のひとつやふたつ。
可愛くない嫌味を言ってくるのだが、今日はやけに大人しい。
それに時々聞こえる神崎の呼吸。
かなり乱れている。
「お前、なんか変だな。どうした?」
俺が聞くと小さな声でこう言った。
『旧校舎に迎えに来て。』
「は?」
俺は拍子抜けな答えに思わず間抜けな声が出る。
当然、職員室内に俺の声は響く。
周りの先生も、俺も、頭にハテナマークが浮かんでいる。
旧校舎に迎えに来いだと?
「なんでだ。」
『友達が…海堂に、はぁ、犯されて…助けに行ったら火ぃつけられて、、、なんとか校舎からは逃げれたけど、俺…っは…もう走れないから……。』
校長がいる手前、海堂の名は出せなかったが俺はお前は大丈夫なのかと聞く。
俺のいつもとは違う優しい雰囲気に周りの先生もだんだんと心配し始めたのかオロオロしだす。
『俺、、、は、軽い火傷だから……大丈夫。で、も…っはぁ…はっ、神城は…心も体も、ボロボロ、、、だからっ……助けて…やらないと…。』
犯されたのは神城か。
また厄介だな。
俺は神崎に言う。
「とにかく落ち着け。泣きそうな声してるぞ。」
俺はなんだかんだいって神崎の事は心配しているし仲間思いの優しいやつだってことも知ってる。
だから、泣きそうになって震えながら話す彼をとにかく落ち着かせてやりたかった。
『…早く…来てね…。』
いつもよりしおらしいあいつの声に俺は少しドキッとしたが、あいつにも守りたいものが出来たんだなとほっとする。
電話を切ると俺は職員に伝える。
「神崎は旧校舎にいて、軽い火傷をしているそうです。犯されそうになった友達を助けに旧校舎に言ったところ火を放たれたそうです。俺は今から保護に向かいます。」
「わかりました。黒咲先生、彼と一緒に行ってください。」
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
45 / 56