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神城くんからの電話
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黒咲先生は第2保健室の養護教諭だ。
生徒数の多いこの学校は部活も盛んなため怪我をする生徒が多い。
そのため、保健室が2つあるのだ。
「俺の車に乗って。」
黒咲先生は頷く。
この人は何考えているか全くわからん。
俺は黒咲先生が少し苦手だったりする。
けれど、そんな黒咲先生が実は大好きだったりする。
車を飛ばしてすぐについた旧校舎のグラウンド。
「あそこ…。」
黒咲先生の声に内心驚きながら指さされた方を見る。
そこには倒れている人影が見えた。
燃えている旧校舎の端。
炎が旧校舎を食らっていく。
「神崎!!」
俺と黒咲先生は走って2人の側へ駆け寄る。
黒咲先生は神城を抱き抱え、先にこの子を看病しますと1度車へ踵を返した。
「俺はこいつ連れていきます。」
そう言いながらシャツのまま倒れている神崎の頬を軽く叩く。
「神崎、神崎!聞こえるか?神崎!」
気を失っているのか全く反応しない。
神城の後ろの方のワイシャツは赤く染まっていた。
「…っおい!」
見てすぐに血だとわかった。
電話では軽い火傷だとか抜かしていた癖に実際に見れば処置が遅れて皮が少し、ただれてしまっている。
相当痛かったはずなのに彼は自分の事を口にはしなかった。
「…ったく、お前ってやつは。」
よく見ると頬や腕だけでなく足にも火傷のあとがある。
背中も血だらけだ。
よく、何も言わずに耐えたな。
「今日くらい、お前を褒めてやるよ…神崎知桜都。」
俺は、未だ意識の戻らない神崎を抱え神城と黒咲先生が待つ俺の車へと急いだ。
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