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泣いた神崎くん
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再び同じ場所で目が覚めると体の痛さに身をよじる。
「…いて…。」
バキバキっと鳴りそうなくらい固まった体を伸びをしてほぐす。
窓から差し込む光は淡いオレンジ色をしていて、自分に夕方を告げている。
黒咲先生はいない。
この時間だから職員会議にでも行ったのだろう。
生徒達は部活動をはじめている時間だ。
「…ふぁ…。」
散々寝たのに出てくるあくびを止められず、僕はあくびをしながら上半身を起こす。
ひとつため息を漏らして当たりを見回す。
特にこれといって変わったこともなく目の前にある金平糖をひとつだけ口に運ぶ。
「…ん、おいしい。」
僕は再び伸びをしてぼすっとベッドへ倒れ込む。
何がする予定もないので先生の帰りを待つだけなのだが、とても退屈なのだ。
「…神崎くん……。」
あれから見ていない彼の名を呟く。
僕のために自分を犠牲にしてくれた神崎くん。
本当に優しい人だと思う。
僕がそんなことを考えていると、
ガラッ
っと保健室のドアが開く。
音に驚いて体が反射的に飛び上がる。
上半身を勢いで起こしドアを見つめる。
そこには、、、
「神崎くん…。」
腕に包帯を巻き、顔には痛々しくガーゼが貼られ荒く肩で息をする神崎くんの姿があった。
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