アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
22
-
お漏らしじゃなくて良かった……。
いつの間にか涙も引っ込んだ。
「なんで?」
「何でって……、体に悪いからな」
体に悪いのか……。
「鈴原。こっち向け」
「ん?」
ーーチュッ
「えっ」
「ふっ。マヌケ顔も可愛いな」
今のってキス!?
何で俺キスされたんだ!?
「何で……」
「殴らないのな」
「殴らねぇから理由教えろ」
「お前が好きだからだ」
ブワッって顔が熱くなった。赤くなってねぇよな……?
「顔真っ赤だぞ」
「うるせぇ!てか昨日会ったばっかだぞ」
くそ、やっぱり赤くなってるのか……。
「一目惚れってやつ」
「一目惚れ……」
「嫌なら断れ」
「嫌ではないけど……」
そう。嫌ではないんだよ。
昨日会ったばっかりの大嫌いな担任の筈なのに……。
「じゃあ保留にしといてくれないか?」
「保留?」
「嗚呼。お前の気持ちが決まったら教えて欲しい」
「……分かった」
ーーガシガシ
「わっ」
「ありがとな」
頭を撫でられて礼を言われた。
何だか嬉しい……。
「そうだ。今日はもう帰っていいぞ」
「良いのか?」
「嗚呼。ちゃんとズボン履いて帰れよ」
「誰が脱がしたんだよ」
「俺だな」
あれ?今気づいた。
こいつに対する嫌悪感がいつの間にか消えてる……。素で話したからか?
嫌いどころか、こいつと喋ってると温かい気持ちになる。
「よし。じゃあ帰る」
「おう。気をつけて帰れよ」
ーーガラガラ……ピシャッ
何だろう……、この寂しい感じ。
まだ居たい、帰るのが嫌だと思ってしまった……。
まぁいいや。取り敢えず帰らねぇと……。
俺がこの気持ちの名前を知るのは、もう少しあとの事だ。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
23 / 37