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「…麻見。反論は無いの?」
漆黒の瞳が真っ直ぐに俺を見つめる。
何もかもを見透かされてしまう様な感覚に目眩を覚えた。
一点の曇も無い黒い瞳は一体何を考えているのだろうか。
……どうせ、俺が悪いと思っている癖に。
そんな風に思ってしまう卑屈な自分に吐き気がする。
でも、きっとそうだ。
風紀委員はいつだって弱者の味方で。
学園内の秩序を守る事しか頭に無いような奴らだ。
……それでも。
何故かその黒い瞳に縋ってみたくなってしまって。
一体俺はどうしたのだろう……。
胸の奥がザワつく。
俺の方を信じてくれと思ってしまう。
「……俺は、無理矢理なんてしてないし…付き合うなんて言ってない」
告げたところでどうしようもないのに。
篝は俺の言葉を聞いた後、佐藤真昼に視線を寄せた。
「だそうだ。確かに麻見はふらふらとしている様な奴だけど、嘘は吐かない。何か反論があるなら聞くけど、これ以上嘘を吐いて騒ぐようならそれなりに処分を与えなきゃいけなくなるけど、どうする?」
篝のその言葉を聞いて、先程まで泣き喚いていた佐藤真昼は顔を一瞬で蒼白くさせた後、そそくさと逃げるかのように走り去っていった。
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