アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
5-1
-
遂に夏休みに入り、暦も7月末。
昨日、終業式が終わって部屋に帰った後、携帯に親から連絡がきた。
内容は、いつ帰ってくるのというお決まりのもので。
どうしようかと思っていたら丁度由貴から連絡が来て、二人の予定を考えて帰省の日程を決めた。
大体、夏休み等の大型連休の際は2週間くらいは帰省するのが例年なので今回も例に漏れず、そういう日程を立てた。
行くなら早めのがいいだろうと言う事で、急遽今日から帰省となったわけで。
昨晩、荷造りを何とか終えて今は由貴と共に迎えに来てくれた両親のお抱え運転手である通称山さんの車に揺られていた。
急遽だった為、篝には連絡こそしたものの会えず仕舞いで何と無く寂しい気持ちになってしまう。
篝に連絡したら、篝も親と姉に言われて急遽帰省する事になったと言っていたし、きっと篝も今頃実家に向かっているところだろうと1人頷いた。
「坊っちゃん方、少しお見かけしない間に大人っぽくなられましたね。特に由良坊っちゃんは、以前より表情が柔らかくなったような…」
山さんは手慣れた操作で運転しながらバッグミラー越しに俺達を見て感慨に耽りながらそう言った。
山さんとは生まれた時からの付き合いで。
両親が若い頃からお抱え運転手をしていたらしい。
だから、一緒には住んでいないものの俺達にとっては家族みたいなものだった。
山さんはいつも会う度に涙ぐみながら感慨に耽っていて。
多分、山さんにとっても俺達は我が子と同然に思ってくれてるのだろう。
山さんの言う通り俺の表情が柔らかくなったのだとしたら、それは多分間違い無く篝のおかげだ。
そう思ったら余計に篝が恋しく思えて、こんなんじゃ二週間ももたないじゃないかと思わず頭を左右に振った。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
72 / 100