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「由貴ちゃーん!由良ちゃーん!パパ帰ってきたわよー」
あれから自室に戻り、篝と連絡をとったり持ってきた荷物を整理したりして過ごしていた。
篝は、『勝手な事しちゃってごめん』と謝ってきたけれど、何も謝る事なんて無いのに。
寧ろ、篝に言って貰えて良かった。
そう伝えるとホッとしたような声が聞こえてきて、何だか愛しく思った。
篝は俺がこっちにいる内にでも挨拶に行きたいと言ってくれたので、両親に予定を聞いてみようと思いたった途端に階段下から母か呼ぶ声が聞こえた。
「由良ー!会いたかったぞー!」
由貴に少し遅れて階段を降りていくと、階段下でスーツ姿の父が両手を広げて待ち構えていた。
俺を視界に映すなり遠慮無く抱き締めてくる。
この年になって正直恥ずかしさはあるものの、偶にしか会わないのでこんなものなのかも知れないと納得している。
父は相変わらず身長が高くてスタイルも良く、羨ましいなあなんて思って視線を寄せてみたら、何故か更にきつく抱き締められてしまった。
「いやあ、ごめんごめん。相変わらず可愛くて、つい力がこもっちゃったよ」
そう言って戯けた様に笑う父は相変わらずで。
由貴は俺達を見て可笑しそうに笑っていた。
3人でリビングへと足を踏み入れると、キッチンで母が夕飯の準備をしていた。
美味しそうな匂いが鼻孔を擽り、思わず腹の虫が鳴る。
母は趣味が料理なだけあって上手いし、手際も良い。
俺もいつか母に料理でも教わって篝に作ってあげられたらな…なんて、乙女チックな事を考えてしまう自分は相当だ。
食欲を唆る薫りにお腹を空かせながら、そう云えばとキッチンにいる母の元へ向かった。
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