アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
5-28
-
「大丈夫?身体、辛くない?」
あの後、篝と暫くの間抱き合い、余韻を堪能した。
今迄経験した事の無い快感と感情に何故か涙が止まらない俺をギュッと抱き締めて、落ち着くまで頭を撫でてくれていた。
愛おしさと、何故か刹那さを感じてギュッと目を閉じる。
瞼に落とされた優しい口付けは、俺の心を優しく温めてくれた。
「ん……大丈夫………ねえ、怜」
「ん?」
篝の言葉に頷き、答える。
そっと瞼を開いて隣にいる彼の黒曜石に視線を寄せる。
「……俺ね、恋愛感情とか本当に分からなくて……今迄、適当に生きてきた。……だけど、怜とこうなって……1つになる事が出来て、ああ俺は怜の事が好きなんだなって…そう思った」
「由良…」
「……だから、俺も怜が好きだよ。…愛してる」
まさか自分が、こんな風に誰かを想える日がくるだなんて想像もしてなかった。
愛するだとか愛されるだとか、そんな事に微塵も興味が無かったし面倒だとさえ思っていたのに。
人の感情というのものは、移り変わり行くものなのだと。
それは良い方向にも、悪い方向にも。
俺は、きっと良い方向に移り変われたのだと思う。
こうして篝の事を愛していると心の奥底から思えたのだから。
「ありがとう由良……俺も、由良を愛してるよ。誰よりも。この先、色々な事があると思うけど2人で乗り越えていこう。由良は俺が守るよ。ずっと側にいさせて」
篝の言葉に肯定の意味を込めて頷く。
俺達はまだ始まったばかり。
これから先の人生、嬉しい事も楽しい事も哀しい事も色々あるかもしれない。
それでも篝となら……二人ならきっと乗り越えていける。
目には見えない確信的な何かが存在している。
俺は、篝怜一という人間に愛されて本物の愛を知った。
-Fin-
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
99 / 100