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2−1
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修平の引っ越し翌日の夜、「桜荘」の12号室に、下宿人たちが集まっていた。
小さな机の上に、簡単な料理と酒が置かれていて、そのまわりに男子学生たちが座っている。
が、それぞれが思い思いに小さい輪をつくって、
内輪にしかわからないような話に興じていたので
修平は聞くともなしにその会話を聞きながらぽつねんと座っていた。
「最終回の人物、あれヘタだったよなー」
「ああ、賞とったやつだろ。アレはねー」
「榊さんは植物描いてるほうが全然いいよーってカンジ。」
「俺の知り合い、付き合ってる子モデルにして絵かいてたけど」
「ヌード?」
「らしいね」
「いーなー」
「でもやっぱ、いつもよりヘタだったよ。なんか思い入れ強すぎてダメだーって言ってた。」
「あーそうかもな。で、オマエどうなんだよ。あの、サ・・ユリちゃん?」
「サオリ。」
「もう剥いちゃった?」
「まーだ。」
「んだよ。なにグズグズしてんの」
「おれ、つきあってる子モデルにすると、続かないってジンクスあるんだ。」
「なに。女遍歴が作品に出るっていうやつ」
「そう。」
「いーじゃん、いーじゃん。うらやましいよなー。」
ヌードとか女遍歴とかいうワードに反応したのか、すりきれたライダースーツの
学生が後ろから割り込んで来た。
「なにっ??なんの話?」
「おお、岡村さんのさ」
「ドラマの話だよ」
「ばがこぐでねぇ」
「でたっ!お国なまり!」
「・・・あのう!!」
さすがに黙って聞き続けるのもどうかと思ったので、修平は思い切って声をかけた。
「はい」
しゃべっていた三人が殊勝な返事をしながら同時に振り向いた。
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