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夜になっても、鬼塚は帰ってこなかった。
修平は布団に入ったものの、寝付けないままじっと暗がりで天井をみつめていた。
・・・それでも少し、うとうとしたようだった。
はっと気づいたとき、布団の足元になにかの気配を感じた。
少し迷ってから、修平は思い切って布団をはねのけて起き上がった。
暗闇のなかにたしかになにか、いる。
「だれだ」
低い声で問いかけてみる。
「・・・ぼく。」
ちいさな声が応えた。よく知っている声だった。
「オニ・・・?」
急いで電気をつける修平。
鬼塚が見慣れないジャケット姿でうずくまっている。
猫っ毛の髪も整髪料でスタイリングしてあるようで、田口の話を聞いていなければ
見間違うところだった。
と、その髪の間からポタリ、と赤い雫が落ちた。
「オニ?」
修平は鬼塚に駆け寄って肩に手をかけた。
「怪我してるのか?」
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