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6−1
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鬼塚の額にはひどい切り傷があり、唇も切れていた。
殴られたようなあとも、そこかしこに見える。
「いったい・・・どうしたんだよ??」
鬼塚がうめくように言った。
「近頃のおなごはおそろしゅう・・・。」
「は?なに?」
「あ・・大丈夫や・・・。なんでもない。すぐなおる・・・。」
ふと、鬼塚が顔をあげて修平の目をみた。
修平は思わず、視線を外した。
「泉くん・・・?」
「ん?何?」
「泉くん、僕のこと・・・怖がってる・・?」
どきり、胸が鳴った。
「は?なに言ってんの?バイトのことだったら聞いたよ。」
修平はわざと軽い調子で言って立ち上がった。
収納ボックスからティッシュと消毒薬、絆創膏を取り出して鬼塚のもとに戻る。
鬼塚は床に両手をついたままうなだれている。
「とにかくその怪我・・・・・。」
彼のまえにしゃがみこんだ修平は、思わず持っていたものを取り落とした。
「うそ・・・・・だろ?」
鬼塚の傷はあとかたもなく消えていた。
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