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8−2
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広瀬は大きなため息といっしょに修平のとなりに腰を降ろした。
「大井は?」
「・・・まだ。」
またため息をひとつついて、広瀬が言った。
「泉君、よう、来てくれたなあ・・・。」
「えっ?」
「さっき、事故ったとこに来てくれたやんか。」
修平は、突然鬼塚が「事故や」と叫んだ時のことを思い出した。
「あん時、おまえら来てくれてへんかったら、俺ひとりでどないしてたやろ・・・。
偶然かなんや知らんけど、ほんま、助かったで・・・。」
「ああ、偶然・・・のような違うような・・・。」
最後は口のなかで小さくつぶやくように言うと、修平もひとつため息をついた。
処置室のドアが開いた。
あわてて立ち上がる修平と広瀬。
修平の父親くらいの年格好の医者が、ふたりのほうに歩いて来た。
「先生・・・。」
医師がなんともいえない複雑な表情を浮かべているのに気づいて、二人は身を固くした。
「今夜はとりあえず、こちらで様子を見ましょう。」
「そ、それで命は」
「あ、それは大丈夫です。」
拍子抜けするようなあっさりした医師のものいいに、二人は逆に不安を強めた。
「え。せやけど、ごっつい怪我で」
「そうですよ。そんな簡単に!」
それを聞いて医師のほうはますます複雑な表情を浮かべる。
「え、なんなんですか。なんかあるんですか。」
広瀬が思わず詰め寄った。
「いや・・・・それが・・・。」
修平と広瀬は顔を見合わせた。
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