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9−2
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またしばらく沈黙が続いた。
修平は所在無さげに机に肩肘をついて窓のほうを見ていた。
「泉くん・・・・・、見たんやな。」
鬼塚が天井を見たままつぶやいた。
「・・・・・。」
「見たんやろ。」
「・・・・。」
鬼塚は細い腕を布団から出して、窓の外を指さした。
「僕はあっこに棲んでる。」
修平は鬼塚の手を見、その指さすほうを見た。
「桜・・・。」
鬼塚はかすれた声で話しはじめた。
「むかし、桜の木ぃと、桜に棲む鬼がおった・・・。」
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