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10−2
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鬼塚はきょとんとして修平を見つめた。修平はスーパーのレジ袋を手に提げている。
「泉・・・くん。」
「な、なに。・・・てか、ここ、俺の部屋なんだけど。入れてくんない。」
修平はまだ突っ立っている鬼塚を押して部屋に入る。
机の上にレジ袋をどさっと置くと、まだ入り口に突っ立っている彼のほうを見た。
「オニ、腹へってる?」
「・・・・・。」
「ん・・・まだ晩飯には早いよな。」
修平は立ったままの鬼塚の腕をつかんで、部屋の中に引っ張った。
「こら、病人はちゃんと寝る!」肩を押して布団の上に座らせた。
そしてサイドボードからペティナイフを取ると、自分も机の前に座って袋から
リンゴをふたつ取り出した。
リンゴの皮をむきはじめながら
「病院行って、スーパー行って、それからちょっと寄り道して、帰って来た。」
「・・・・・。」
「大井君さ・・・、退院できるって。」
「・・・・・。」
「リンゴって年中あるのなー。旨いのかね、これ・・・。」
「・・・・・。」
「ほら、この前、田舎からぶどう送ってきたろ。あれ、おじさん・・・、
おふくろのお兄さんが作ってるんだ。そのおじさんち、桜の木もあって、
サクランボも作ってんだけどさ・・・。
実桜にも鬼が棲んでんのかな。」
「・・・・・。」
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