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12−3
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アイドル目当てに人ごみに飛び込んだ女は、周囲の人々に怪訝な視線をむけられた
だけで、目指す相手は見つけられずに狐につままれたような顔になった。
芸能人どころか、女の子の集団すらいない。嬌声もどこからも聞こえてこない。
「あ・・・・れ? 今、たしかにこのへんで・・・」
きょとんとして、立ちすくむ女に、地味な中年の男が近づいて来た。
「あの、失礼ですが・・・。」
「えっ?」
「さっき、若い男性に言っておられたお話、もう少し詳しく伺えませんか。」
「あんた、誰」
警戒心を剥き出しにして誰何する女性に、男は背広の内ポケットから
名刺のようなものを出して見せた。
それを一瞥した女は、ますます怪訝そうな顔をした。
「ご心配は無用です。お話を聞かせていただくだけでけっこうです。
あなたのご迷惑になるようなことは一切ありません。」
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