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13−3
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「なっ! うそだろ!!」
一方侵入者のほうは、鬼塚一人と思い込んでいたらしく、修平の姿に一瞬動きに迷いを見せた。
「わあ!!ドロボー!!強盗だあ!」
とっさに修平は下宿中に聞こえるように大声をあげた。
まさかこいつらも、衆人環視の中、無茶なことはしないはずだ。
「こいつも仲間か?」
これにあわてた男たちは大型のナイフを腰から取り出して修平に向けた。
修平のかたわらで、鬼塚の髪がさっと逆立った。
「ちがう!この人には手ぇだすな! この人は、あかん!」
髪のあいだから角が出てくる。
「化け物・・・」男が憎々しげにつぶやきながら近づいて来た。
「・・・・くっ!」
修平は賊のひとりに頭から体当たりして突き飛ばすと、急いで鬼塚に布団をかぶせた。
「オニ!だめだっ!」
すぐに修平はその男に後ろから羽交い締めにされた。
「はなせっ!」闇雲にあばれてふりほどこうとするが身動きがとれない。
「オニっ!みんなが来る!姿を戻せ!早く!」
ドアの外に下宿人たちの足音が聞こえて来た。
「何の騒ぎだよ」
「おい、泉くん、なんかあったか?」
だが鬼塚は布団をはねのけて立ち上がった。完全に鬼の姿に変わっている。
「だめだ!」
鬼塚の喉から地響きのような低い声が漏れる。
「オニ!戻れ!」修平は力の限り叫んだ。
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