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14−1
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修平と鬼塚は闇の中を駆けていた。
鬼塚の背中には、また血が滲み出してきていた。
時々、くずおれそうになる鬼塚を、修平が助け起こしては、また走る。
だがどこへ。
何処へ逃げればいい?
鬼塚が喘いだ。
「泉くん・・・・、泉くんもう・・・あかん・・・。」
「しっかりしろ。」
「泉くんまで・・・巻き込まれへん・・。」
鬼塚はついに、がっくりと膝をおとしてしまった。
「オニ!」
「もう・・・ええ。」
「何言ってんだよ!」
修平は鬼塚を引き起こそうとするが、出来ない。
上体すら倒れそうになる彼の前にまわり、膝をついて支えた。
「泉くんが・・・友達になってくれたやろ・・・。
せやから僕はもう、もうええわ。」
「・・・・・。」
片手を地面につき、修平とつないだ手を離そうとする鬼塚。
修平は離れないように強く握り返した。
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