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14−3
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囀りのようなかすかな声が、風の音に混じって聞こえた。
修平は異変に気づいて辺りを見回した。
二人のまわりで、風が渦を巻き始めていた。
その、渦巻く風が、まるで鳴き交わすように微かな高い音を発している。
それが次第に、形をもつもののように見えてきて、修平は声をあげた。
「なんだ・・・・?」
「いたぞ。あそこだ!」追っ手の声が聞こえた。
修平がはっとして男たちの姿を見た、その時。
二人を包んでいた風が、突然二匹の小鬼を形作り、鬼塚と修平を持ち上げた。
「うわっ・・・・。」
駆けて来た追っ手はその光景に思わず立ち止まった。
「なんだ、あれは・・・!」
小鬼たちは、小さく甲高い声で何事か囁き合いながら、二人を担いで走り出した。
暫く呆然と見送っていた男たちは、はっと我にかえると、再び後を追って走り出した。
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