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15−2
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ふたりがそちらを見ていると、
屋上の手すりのあたりがぼうっと霞みはじめ、徐々に形をつくってゆく。
14〜5人ほどか。それは老若男女の一団がよりそう姿になった。
静かな微笑みを修平達に向けている、
子供のようにみえるのは、先刻の小鬼たちだ。
「あの人たち・・・みんな・・・鬼?」修平が低くつぶやいた。
「そうだ。」医師が答える。
「オニの仲間が・・・あんなにいたんだ。」
「ほんま・・・? ほんまに・・・?」 鬼塚がうわずった声で尋ねた。
「ああ。」医師は鬼塚にやさしく笑いかけた。
そして修平には厳しい顔を向けていった。
「鬼狩りが、また激しくなってきている。何百年も繰り返されてきた愚行が。」
「・・・どうする?」修平の問いに、医師は訝しげな目をした。
「・・・やっつけんだろ。やっつけちゃえよ。これだけ数いりゃ簡単だろ。
あいつらおかしいよ。なんとか出来るんだろ。」
「・・・君は人間なのに」
「あんなやつらと一緒にすんなよ。俺は・・・オニにつく。」
医師ははじめて修平に向かって微笑んだ。
「人間と争う気はないよ。」
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