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「・・・近くに大学が出来て・・・下宿やらアパートがたくさんできた。
地方からよそもんがたくさんはいってきて、ここの人らが見慣れへんもんに
関心をしめさへんようになった。
そうして僕は、やっと追われへんようになった・・・。」
「血を・・・吸うっていうのは?」
修平がようやく口をはさんだ。
「時々・・・街に行って、若い女の子誘って、ホテル行って・・。
下宿の人には手はださへん。」
「昨夜も、行ってた?」
「昨夜は・・・ふふ。気ぃつかれてな・・・。寝てる思たら起きとって・・・
ほんでどつかれて。血ぃ飲みそこのうた。」
「大井君には・・・何をした?」
「鬼には、通力いう、人間にはない力がある。人間も、昔は持っとったんやと思うけど・・・。
今風にいうたら超能力みたいなもんや・・・。
生き血を飲んで、その通力のもとを養うんや・・。
ゆうべは血ぃ飲んでへんし、力がでえへんかと思たけど・・・。
大井君、死にかけとったから・・必死になって・・・思わず正体出てしもた。」
「力使い果たして倒れたってことか。」
「うん・・・。でも大井君助けられてよかった・・・。」
「・・・・・。」
「この下宿の人らが僕の事気づかへんように、ちょっとだけ術をつこた。
他の部屋の人のこと、あんまり考えへんようにな・・・。
でも泉くんにはそれが通じひんかったんやな。
なんや、最初っから、泉くんにはばれるような気ぃ、してた・・・。」
鬼塚はゆっくり上半身を起こして、修平のほうを向いた。
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