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「おじゃまします......」
ドアを開けると、家の中はそこかしこに二人の愛が溢れていた。まだまだ日本では否定されがちなゲイカップルだが、この家にはそんなネガティブな空気は微塵も感じられなかった。玄関には二人の写真がいくつも飾られ、リビングにも至るところに写真やお揃いのものがあった。可愛らしいものが多いのは恐らくユキの趣味だ。でも、ユキの好きなようにさせている先生もまた、ユキを溺愛しているのだろう。
「みやたん、先にお風呂どーぞ。その間にごはん作っとくから!」
「ごめん、ありがとう」
「お客さまはゆっくりしてくれてええんやからねー。シャンプーとか適当に使って。お湯冷めてたら沸かしてな」
先生にも会釈だけして、ユキに案内されたバスルームへ向かう。一戸建ての自宅とは違って、こじんまりとしたお風呂だが綺麗にされている。
身体を洗ってからお湯に浸かっていると、ユキが顔を覗かせた。
「バスタオルとパジャマ、置いといたから」
「何から何までごめん」
「みやたん」
「なに?寒い」
「髪の毛伸びたなぁ」
「そういやしばらく切ってなかった」
「うなじに張りつく黒髪......じゅるり」
「変態」
「背中にいっぱいキスマついてる」
「うそ。......ったく」
「相手、だれ?」
「父さん」
「わぁお、熱烈ぅ」
「あの顔でつけたがりなの。変でしょ」
「なあなあ、みやたんのおっぱい吸いたい」
「バカ。そろそろ上がるから退いてよ」
「拭いてあげる!」
「いいから」
バサッとバスタオルを広げて立ちふさがるユキの顔面狙ってお湯をかけた。
「わっぷ!なにすんの!」
「早く退いてってば」
「裸のみやたん......ハァハァ」
ほんとに、ユキといると調子が狂う。先生がユキを呼んで、ようやくユキが去ってから風呂から上がった。タオルで身体を拭いて用意されていた服を見ると、レモンイエローのふんわりした生地のいかにもなパジャマで笑ってしまった。ユキなら似合うけど、こんなファンシーな色を着るのは初めてだ。でも、優しい柔軟剤の香りがして、太陽に包まれてるみたいに着心地はとても良かった。
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