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「先生、いい人だね」
ユキと二人になって、ベッドの中で素直な感想を言った。
「ふふふ、せやろ、せやろ?しょーごくんもかっこいいし、東雲さんも渋くて好きやけど、やっぱりせんせーが一番かっこいいねん!」
「良かったね、ユキ。大事にしなよ」
「うん、わかってる。せんせーはな、俺のこと全部受け止めてくれてんねん。俺がAV出て他の男とセックスしたら、やっぱりその日のエッチは激しくなるけど......俺が本気でアダルト業界で働いてるってのはわかってくれてるから、応援してくれてる。なかなかおらんよな、ノンケで、同業者でもなくてそんなんわかってくれる人。毎日、愛されてるなって思う」
「うん」
「しょーごくんも、おんなじ感じやったね。みやたんのこと、本気で好きやったと思う」
「......ん」
「いつかまた、巡り会えるよ。しょーごくんとみやたんが、そんな簡単に離れると思われへん。運命の赤い糸ってほんまにあるんやで。俺と先生がそうやもん」
「......だといいな。そうしたら次こそ、幸せにしてあげたい」
「みやたんが幸せやったら、しょーごくんも幸せやと思うで。せんせ、いつも言うてるもん。祐希の幸せが俺の幸せやって。だから、俺は自分のしたいことしてめいっぱい幸せになって、ほんでせんせのこと幸せにしてあげんねん」
彰吾は俺を大切にしてくれた。俺が龍弥との時間を取ることを責めたことなんて一度もなかった。
『雅ちゃんが幸せなら、俺も幸せ。雅ちゃんが笑ってくれるだけで、雅ちゃんが俺のこと好きって言ってくれるだけで、最高に幸せなんだよ』
そう言った彰吾の顔は、本当に幸せそうで、その優しさに、その愛情に俺も心から幸せを感じたのだ。
また涙が零れた。布団が濡れてしまうと、パジャマの袖で何度も拭うけれど、不意に柔らかいものが目尻に触れた。
「ユキ......」
「みやたん、そんな泣き虫やったん?かわい」
「......うるさい」
ちゅ、ちゅ、とユキの唇が涙を吸い取っていく。その唇が頬を伝って、俺の唇まで到達するのに時間はかからなかった。
「ん......」
舌先でノックされて、少しだけ口を開いて招き入れる。甘い舌が俺の舌を見つけると、さらにキスを深くして絡めてきた。
「ん、はふ......ん、ばか、どさくさに紛れて何してんの」
「え?べろちゅ。嫌やった?」
「......嫌じゃないよ」
そう言うとユキは嬉しそうに笑って、またちゅっちゅと音をたてて顔中にキスしてきた。
「みやたん......俺は、ぎゅってしてチューするくらいしか慰め方がわからんねん。ごめんな」
「いいよ。今だけは、ユキのバカさに救われてる」
「むーっ、なんでそういちいちトゲのある言い方するかなぁ。でも、みやたんはツンツンちゃんやもんな。だからたまにデレんのがちょー可愛い」
「も、寝る。黙って」
「もうちょっとだけ、チューしよ?」
「......ん」
ユキみたいに素直になれたらいいのに。彰吾とユキと作った作品を思い出す。ユキは光で、俺は影。それでも彰吾は、俺を愛してくれた......
微睡みながらキスをして、そしてどちらともなく眠りについた。
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