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そのまま気づけば眠っていた。ハッとして隣を見ると、柚木が俺にくっつくように眠っていた。
柚木は俺に対して恋愛感情はないという。それは本当にそうだと思うのだが、柚木と出会ってから柚木に彼女がいた気配はない。もちろん男もだ。柚木は至ってノーマル......だと思う。しかし俺と雅の関係に恋してるというあたり変人かもしれない。
俺と柚木には身体の関係がある。寝たのはアメリカに来てから、3回。
日常的にハグやキスするようなことはない。ただ、俺の感情に敏感な柚木は、俺が人恋しくなると友達という壁を越えて寄り添ってきた。仕事の上では最高のパートナーだし、一緒に暮らしてる上での不満も別にない。だからといって俺が柚木に惚れることもない。俺にとっての柚木は、頼りになる弟といった感じだ。
「柚木、おい、寝るなら自分のベッドに行けよ」
「ん......んー......」
持ち上げるには重すぎるので諦めて、ついでに俺もまだ眠かったのでそのまま一緒に寝ることにする。
人の体温というのはどうしてこうも心地よいのだろうか。たぶん、今柚木がいなければ俺の心は氷のように冷たく凍てついていたんじゃないかと思う。
柚木がいつも俺に話しかけてくれ、バカな話にも付き合ってくれるから、俺は息ができる。雅のことを忘れることはできないが、馴れない異国の地で仲間がいることは心強かった。
「......あ。くそ......」
ベッドの中でもぞもぞ動いていると、うっかり柚木の股間に足が当たってしまった。硬い。いや、それは寝ている男の生理現象だ。ついでにいうと俺も硬くなっているのだが、さっきまで寝ていたのだから仕方がない。
気にせず眠ろうとするも、気になってしまうと眠れない。パンツが窮屈だし、着替えもせずに寝たからジーパンが鬱陶しい。
「あぁくそ......とりあえず着替え着替え......」
着替えついでにトイレで抜くしかない。全く男は面倒くさい。ムラムラしてなくても元気なムスコに俺はため息をつく。
「ん、なるみやさん......?」
「悪い、起こしたか?ちょっとトイレ行くから寝とけ」
「うぅん......?また抜きに行くんでしょ......」
「......ほっとけ」
「はふ......します?なんか俺も、目が覚めてきちゃったし」
柚木に興奮することはない。ただ、無性に人肌恋しくなるのは抑えられない。
一生、雅を抱くことは叶わない。
その切なさをやり過ごすには、右手だけじゃ足りないこともあるのだ。
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