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(Side:雅)
いくら待っても、彰吾から連絡が来ることはなかった。
待っていたって仕方がない、連絡など来るはずがないとわかっているはずなのに、黙ったままのスマートフォンを視界に入らないようにする。
あれから間もなくしてAVは出来上がった。データだけではなく、わざわざDVDを俺の家に送りつけてきた。中には手紙も入っていた。ユキらしい、下手くそな字で。
『こないだはごめん。怒らんといて?また一緒に仕事しよな?みやたん、大好き。ユキより』
何度か電話があったけど全部気づかないふりをしていた。彰吾のことをユキから聞くのが嫌だったのだ。でも、全て俺を気にかけてくれてのことなのもわかっている。あまり無視するのも可哀想だと思い、こっちから電話を掛けてみた。
『もしもし!もしもしもしもしもしもし!』
「うるさい」
1コールで出たかと思うと、鼓膜が破られるのではないかというくらい大きな声が聞こえてきた。
『みやたん、みやたぁぁあん、ごめんなさい、みやたぁぁん』
「......怒ってないよ。俺こそ、無視しててごめん」
『ううん、うぅ、うぇーん......』
いい大人が本気で泣いている。ユキはいつまでたっても変わらない。でも許せてしまうのはユキだからだ。
「もう泣かない。三十路のくせに」
『うぇーん!何歳なっても泣くもん!みやたんに嫌われたら泣くもんー』
「嫌ってないから。ごめんってば」
『ほな、好き?』
「......」
『いけずぅぅ』
「あはは、好きだよ。言ったじゃん、エッチした時」
『みやたん!俺も好き!みやたん超愛してる!』
「わかったわかった。DVD届いたんだけどさ、これ、俺キモすぎない?」
職業柄自分の写真は見慣れている方だが、それにしたってやっぱりこの猫耳はキモい。せっかくなのでDVDを再生してみるものの、動いてる自分はますますキモかった。
「うわー......」
『めっちゃ可愛いやん。自分めっちゃ可愛いで?めっちゃ可愛いやん』
「うるさいって。えー、これのどこがいいの。ユキはいつも通りだけどさぁ......売れなくても知らないからね」
『何をおっしゃる。うち史上最高に売れて売れてガッポガッポでっせ。そうそう、ギャランティーをな、どうしたらいいか、それも聞きたかってん』
「いいよ別に。楽しんだだけだったし」
『あかんあかん!遊びちゃうやん。みやたんも仕事のつもりでやってたやろ?ほなちゃんと対価は受けとらんと』
「......まぁそうか。そうだね、うん」
ユキの会社の給料制度を聞いて、実際に受け取る額を聞いてさらに驚いた。
「嘘でしょ、AVってそんな儲かるの?」
『そこはだから、みやたんの価値やって。だってプレミア級やで、あのミヤビが、しかもこのユキ様と!』
「はぁ」
『イケメンも粒揃いやから、2作目3作目どんどん企画すんで!とろアナ!』
「とろアナ?」
『とろけるアナル!タイトル見てよー。最高のタイトルやろ?』
言われてようやっと文字を読む。
《にゃんにゃん♪あふれるトロけるときめきアナル~僕と雅ちゃんの愛の生ハメセックス~》
「うわぁ......」
『なにそのドン引きした声』
その時、リビングのドアが開いた。
「珍しく雅がAVを観ている......しかも、自分の......ナルシストか」
久しぶりに帰ってきた父さんの視線の先には、M字に足を開いて尻尾バイブで犯される俺がでかでかと映っていた。
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